発売されましたね、イカ2。皆様いかがお過ごしでしょうか。今日で発売一週間と二日ですが、とてもそうとは思えないほどやりこんでるアナタは少し休憩しましょう。特に夏コミの作業が止まっているアナタ! 地獄を見ることになるでしょう。まあ、ぼくのことです。
というわけで、イカ2 寸感。
ステージ
- (+) 導線が増え、ワンサイドゲームになりにくくなった。
- (+) 壁や高低差が増えたため、短距離と長距離のブキで差が出にくくなった。強力なチャージャー一人で詰むことがなくなった。
- (+) 敵に身を隠しながら複雑な侵攻ができるため、攻撃のバリエーションは広がった。
- (-) 一方で、広範囲を塗る楽しみは減った。
- (-) 見通しが悪く、ステージが分かりにくくなった。
- (-) 距離に因る差異ではなく、バケツなど高低差に強いブキと、チャージャーなど見通しが影響するブキで大きく隔たりが生まれた。
- (-) 全てのステージで競技性が増した一方で、ステージの印象は似たりよったりになった。
- 前作のアロワナモールやタチウオなど、あからさまに嫌われるステージはなくなったが……
- (-) 前作の初期ステージを思い浮かべても、オーソドックスなデカライン、縦に長いハコフグ、北と南で非対称の油田、中央に特徴的な高台のアロワナ、曲線的で凹凸の激しいBバスと、どれも特徴が際立っていた。
- 前作でも、マサバ海峡大橋あたりから今作のようなステージの兆候は出始めていた。
- (+) 前作であまり評判の良くなかったタチウオ・ホッケがガチマッチでも遊びやすいステージにリメイクされていたのは評価できる。
- (+) 前作のように追加・改良されるなら、ステージはまだまだ序の口。今後のアップデートに期待したい。
ブキ・スペシャル
- (+) スプラシューターにベンチマークを置き、基本的には公平に調整されているのは前作同様評価できる。
- (*) 一部ブキの優劣は付いてしまっているが、すぐに評価するほどのものではない。
- (-) ローラーの弱体化が激しい。縦振りと横振りの仕様は初心者にとっても混乱が大きく、あまり賛同できる仕様ではない。競技的な都合を優先している。
- そもそも、近距離で横振りを引っ掛けて殺せるショットガン的な運用のスプラトゥーン1最初期の仕様ではダメだったのだろうか?
- (-) インクアーマーの仕様上、ローラーとチャージャーが極端に弱くなっている。
- ローラーとチャージャーはインクアーマーを撃ちぬけても良いのでは。
- 或いはインクアーマーをローラーとチャージャーのアンチにするなら、それら2つの性能をもう少し上げてもよいのでは。
- (+) 新たに追加されたスプラマニューバー、これから追加される傘など、新規ブキはいずれも面白いのでアップデートは期待できそう。
- (+) スペシャルは一新。ジェットパックとマルチミサイルは見た目も派手で面白い。スーパーショットとトルネードをより使いやすくした形と言える。
- (+) 前作でしばしば物議を醸していたバリアとダイオウイカを程よく弱体化し、アーマーに留めたのは競技の面で考えて良い調整であると思う。
- (-) 全体的に地味。ジェットとミサイル、ボムラッシュはまだしも、プレッサーやアメフラシ、スフィアは発動時に何が起きているかも分かりづらい。インクアーマーも前作の明らかに防御性能のある見た目のバリアと比べて、スーパーアーマー状態であることは全く伝わってこない。
- (-) 操作や挙動の面で初心者に優しくない。アメフラシは投げる必要がある、プレッサーは ZR で発射する必要がある上に、非発動時に透けて見えるという分かりにくい仕様。スフィアの ZR 押しっぱなしで爆発というのも操作としては分かりづらい。
ゲーム全体
- (+) ゲーム展開は諸説あるが、個人的には打開しやすくなった=逆転しやすくなったと感じる。総じてスピーディで良い感触になった。
- (-) 初期~現在も微妙に続く、所謂「元ガチプレイヤーが低ランクで暴れまくる」問題はもう少し何とかしたかった所。
- (-) 細かいルールの面で、前作で出たであろう色んな不満を解消して行った結果、UIや画面表示のチグハグさが目立つ。
- 共闘キル表示は良いが、スペシャル使用回数はいらないのでは。それより、ヤグラの上に乗った時間やホコを進めた距離など、表示してほしいものは沢山ある。
- 今回のランクで増加した数値は、噴出しに書かれているボーナスの合計(1400)である。アイテムを使った場合はそこに1.5か2.0を掛ける。最終値はどこにも出ないし、左上の数値も特に関係ない。
- ウデマエゲージのヒビ割れ仕様は、初見で理解しづらいし、ヒビが敗北数と完全に連動しているわけでもないので、前回の進捗が分かりづらい。ランク付けをボカそうとしたのだと思うが、デメリットの方が大きいように見える。
- 全体的に、前作まで慣れ親しんだ UI を用いている割には、要素が共通化されていないので、分かりづらい。全体的な仕様に目を光らせられる人がいなくなったのだろうか?
- (-) マップ表示に関しては皆思う所があるだろう。何にせよ、押し間違えてマップを開いてしまった初心者が閉じ方も分からず死ぬ現状は最悪の状態と言える。
- (+) 大きなメイン要素である、ギア集め・ギア育て回りは相変わらず楽しい。今作の新要素であるギアパワーの付け替え周りもよく機能しているように見える。
- (*) とりあえず、まだ始まっていない要素(フェスなど)、実装されていない要素がたくさんあるので、ゲーム全体に関しては様子を見つつ、プレイしていきたい。いずれもプレイ体験を阻害するほどのものではないし、イカ開発チームは他の任天堂タイトルよりフットワークが軽いように思えるので、今後改善されていくだろう。
サーモンラン
- (+) 始まる前は半信半疑だったが、なるほど手放しで面白いと言える出来。
- (+) 難易度の按分がちょうど良く、野良で最大難易度だと失敗することもしばしば。緊張感を持ってプレイできる。
- (+) 色んなブキを使ってプレイするのは良い感じにバトルの疲れをリフレッシュできるが、多くのブキに慣れてない人には辛いかも。
- (+) 今作で報酬の幅が増えた所に、報酬システムがよくマッチしていると思う。どちらが先かは分からないが、バイトが開かれるたび勤しみたい動機作りに成功している。
- (-) 船のコンテナ、満潮時のグリルなど、一部の組み合わせが異常に難しい。まあ、それも良いスパイスではあるのだが。
- (-) ボム1発で殺せるボスですらちょっと難しいのに、2発必要かつ全域に攻撃力を持つボスがウザイ。カタパットてめーのことだ。せめて同時に2匹でないようにしてほしい所。
- (-) 導線がちょっと雑。前作経験者には「お金やギアパワーを揃えるための新しい遊び!」というのが分かると思うが、今作からのプレイヤーにはどういう目的で、どういうスタンスで挑めばいいものかイマイチ分かりづらいかもしれない。
- (*) これを書いているちょうど前回の、パブロ、ローラー、ホッブラ、バレルの組み合わせは酷かった。1200pまで遊んでクリアは30%前後だったと思う。役割を理解することは勿論、それぞれのブキにある程度造詣が無いと、ブラスターで複数匹のサーモンを倒したり、バレルで足元を確保しながら立ち回るのは難しいだろう。
- (+) 何にせよ、今後アップデートがあることを考えても、かなり伸び代がある遊びだと思う。楽しみ。
ヒーローモード
- (+) 前作と同じボリュームをもう一度作り上げている。初心者がブキに慣れ親しむためのチュートリアルとして、前作に引き続き良い役割を担っている。
- (-) 前作をプレイしたプレイヤーにとっては基本的に新鮮味がない。ステージはギミックこそ多少違えどオオデンチナマズを目指したりボスを倒したりとやることは一緒だし、ストーリーは焼きなおしである。Twitter で展開されていたストーリーはどこへ行ったのか*2。
- (-) ヒーローブキの取得が全ステージでそのブキを使う、と思ったより面倒くさかった。その分プレミア感は出るのだが。傘をクリアしてもまだ使えないのは酷くないだろうか。
- (*) Splatoon2 はストリート系がテーマなので、ファミリーに別れてストリートバトルなどしても良かったのでは。広域ナワバリバトル。いずれにせよ、一人用モードの雰囲気はがらりと変えたほうが良かった。
- (*) というかサーモンランがとてもよく出来ているので、くっつけてしまって漁師をするイカ一人モードでも良かったのでは……。自分の船を育てていくみたいな……。
総評
- (+) ヒーローモードやUI・操作周りに不満は残るが、概ね良い出来。
- (+) 何分前作が面白かったので厳しく評価されがちだが、それでも皆の期待を受け止めるだけのクオリティを出してきたのは流石と言える。
- (-) ただ、e-sports を念頭に競技性が増した一方で、初心者が取り残されたゲームデザインに変化しつつあることは否めない。ステージやスペシャルは前作より派手さ・カジュアルさに劣るし、根底にあった塗りの楽しみも減っている。より普通の FPS に近づいた感じだ。
- (*) 記事の中でも何度も触れている通り、今後のアップデート次第で良くも悪くもなるだろう。この先の展開に期待したい。