クソゲーのゲームデザイン。#エイプリルフール #ポプテピピック

 はい、というわけで今年はクソゲーを作りました。もう半月経ってる……こわい。

 

ゲーム紹介

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 見ての通り、Fl●ppy bird である。クリックで上昇、何もしないと下降。土管の間を潜り抜けるとポイント追加。土管にあたると死ぬ。

 

制作判断

 アニメポプテピピックが予想以上にクソいい出来だったことを受けて、本編にあるゲーム風ドットアニメを本当にゲーム化してしまおうという一案。デザイナーである春さんが思いのほか乗り気だったので作ることに。このとき、エイプリルフールまで残り二日

 ネタの候補はいくつかあったが、結局一話のモノを採用することに、本編ではマ●オワールドのマントの挙動で上下するだけのポプ子が描かれていたが、ここに同じくマリ●っぽい土管を追加すれば Fl●ppy bird っぽいアレができるのでは? という短絡的な考えでゲームシステムの検討は終了。

 なんたって、必要な素材が少ない。ポプ子ループ入れて五枚、雲、土管、UIのみ(キノコとピピ美は後から追加)。一番の懸念点もとい技術的ボトルネックは「ブラウン管風表示」だったが、難なくクリアしたのでGOを出した*1。ブラウン管表示シェーダについては後ほど解説。

 

ゲームデザイン - 段階的クソゲー

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         (C) POPTEAMEPIC

 ポプテピピックのアニメがクソアニメであったように、ポプテピピックのゲームもクソゲーでなければならない。しかし、ポプテピピックのアニメが良質のクソであったように、ポプテピピックのゲームも良質なクソゲーでなければならない。理想系の全ては、この4コマに含まれている。

 今回の Popfly では、ブラウザで三分くらい遊んだプレイヤーにも、その後も遊び続けてくれたヒトにも満遍なくクソ感を味わってもらうために、段階的クソゲーというデザインを施した。

クソ要素1:キノコ

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 ゲームを始めてしばらくするとキノコが登場する。取ると何が起こるか。言わずもがなである。

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 でかくなる。そして死ぬ。当たり判定が大きくなるからだ。
 しかし、これはマ●オにおけるキノコの挙動としてなんらおかしくはない。取ったプレイヤーが悪いのである。はいクソー
 ちなみに左上のUIも残機制かと思いきやワンミスで全て飛び散るクソ仕様。

クソ要素2:詰み土管

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 更に進むと、確定で詰み土管が出現する。はいクソー
 しかし、どうやら Twitterハッシュタグを見る限り、これよりも高いスコアがある→先に進めるのである。このゲームの要素といえば土管とキノコくらいしか……?

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 というわけ。ちなみに Wii 以降のマ●オにはデカキノコというものがあり、取ると巨大化して土管もブロックも全て壊すことができる、というオマージュ。

クソ要素3:ボス

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 Fl●ppy bird なのになぜか唐突なボスが反射神経を試してくる。無慈悲なビーム。はいクソー

ゲームの流れ

 というわけで、プレイヤーが辿るゲームの流れとしては

 ゲーム開始→ゲームに慣れる(何回か死ぬ人もいる)→キノコを見つける→キノコにやられる→はいクソー→キノコを避けて進む→どんどん進める。オレ上手い!→詰み土管→はいクソー→(多分ここで満足する人も結構いる)→もっとスコア高い人いる。先があるのでは?→キノコを二つ取ると巨大化できることを知る→しかしキノコ状態で二個目のキノコまで辿りつくのが難しい→何度もプレイしてやっと最大化→土管壊して突破!(ちょっとしたご褒美時間)→ボス出現→突然のレーザー→はいクソー

 以上。この試みが上手くいったかどうかは……感想に。

 

メイキング裏話

ブラウン管風表示シェーダー

 有料のモノも Asset Store では販売していたが、一発ネタにフルセット*2使うのもオーバースペックすぎるので。

 のたぐすキャットさん(@notargs)がフリーで良いモノを公開していたのでそれをベースに改良。画面の傾きを和らげたりスキャンラインを削除したり画面端の vignet を青色にしたり、ゲームを遊びやすく、また原作に近くなるよう変更。WebGL でも無事使えて一安心。

挙動パラメータ

 普段は外部に公開することはないのだが、挙動パラメータは以下の感じ。
 (尚、画面上端から下端までは -6~6 *3で、30fps動作)

  • ジャンプ速度:0.4
  • 重力:0.04
  • 最大落下速度:0.2

 上下方向のコントロールが重要なゲームでは、ジャンプ初速を大きく、一方で最大落下速度を遅めにすると遊びやすくなる。特にこのゲームでは落下が「滑空」なので、大分遅め。

 ちなみにポプ子の当たり判定は
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 このくらいしかない。顔面セーフ。

WebGLについて + HTML仕様

 Flash が半ば葬り去られたことを受け、今回のゲームを何で作るかというのは少し前から悩んでいた。HTML5 で作るにも決め手となるエンジンがなく、一方で Unity の WebGL が(最近のブラウザなら)プラグイン無しで動くことを聞き、これで作ろうと思いました。ただ、スマホだと動きが厳しい……し音が鳴らない。Unity の WebGLスマホ最適化、お願いします>Unityサン

 サイトについては、ブラウン管テレビの中に埋め込もうかとも思ったが工数が足りないのでボツ。Unity 側の背景色とHTML側の背景色を合わせる程度に留めた。Twitterハッシュタグ仕込タイムラインを同じページに表示させてスコアボード代わりにしたが、一定時間ごとに更新され、(環境によっては)ゲームの方が止まるという罠が発覚。なかなか難しい。

 

まとめ+仕事請けます

 今回も特急仕事でしたが、仕事をやめたのでいつもより大分楽でした。そこそこの反響もあったのでよかったです。

 で、こういうミニゲームみたいなものは割と作りやすいので、来年のエイプリルフールや何かのリリース企画など、公式の案件で何かあれば請けたいと思います。ご相談ください。あるいは、そういうのを探している方いたらご紹介ください。
 お問い合わせはコチラ→ admin@illucalab.com

 ちなみに過去のエイプリルフール作品は以下の通りです。

 ではでは。

 

 

合わせてお読みください:

 

 

 

出会い

出会い

 

*1:ちなみに、これが上手くいかなかったら作らなかった。短期ネタだけに、こういう妥協は禁物

*2:$20くらいした

*3:本当は良くない。640x480の解像度を想定していたので、-320~320で作るべきだった