はむころりん(仮)メイキング+感想 @ #unity1week

#unity1week というものに参加してきました。


https://unityroom.com/unity1weeks/3




http://tsubakit1.hateblo.jp/entry/2017/05/01/230531

一ヶ月前にこの記事を見て、めっちゃ面白そうと思ったのが発端。
ゲームジャム系は前々から興味があったものの、合宿になるとどうにも腰が重かった。が、この #unity1week 、社会人に優しく期限は一週間も取ってくれるし、投稿のハードルも低い! ということで短期決戦ゲームのリハビリ(?)も兼ねて参戦しました。


やりたかったこと

今回ひっそりと目指したのは、日ごろチェックしていた AssetStore の面白そう/楽しそうなアセットを使うこと。会社で暇なときにAssetStore を巡回していると結構な頻度で気になるアセットを見つけるものの、魔法の女子高生も次回作(予定)のライコでもしばらく使う予定のなさそうなものばかり……。今回はまさにそんなストックを放出するチャンスだった。


https://www.assetstore.unity3d.com/?asac=sz5L5QjHkB#!/content/26165
Curved World。いつか絶対使いたい。「転がる」なので全然使い道はあった。


https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/9180
Voxeland。リアルマインクラフト。仕組みは面白いのだがゲーム化するのは難しい。


https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/48140
こういうのも絶対使って楽しい。


https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/58899
シム系作るならコレ。使ってる人もいましたね。


https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/28827
こういうので無心で町を作るのも楽しそう。媒体が WebGL なのと、実働時間が少なそうなので断念。

逆にやらないと心に決めていたのは、今まで作ったゲーム/ミニゲームのコードを使いまわしてクローン的なものを作ること。もちろんその手法が悪いわけではないけど、せっかくなのでフルスクラッチで作りたかった*1


−2日目(5/22)

この日は動けないので、会社でアイデアを考えるのみ。テーマは「転がる」。うーん、無限に考えられそうで、結構難しいテーマだ。なぜなら、「転がる」要素があるゲームはコンシューマ黎明期から結構あるので、既存のアイデアに引っ張られてしまいがちになる。かといってムリに反発しようとすると、それもそれで苦労することとなる。モンキーボールとかボウリングとかすぐ思いつくものだと被りそうだし……。

というわけでボツアイデア一覧。

  • 土地転がし

一発目から変化球を投げる無謀。まじめにシム系土地転がししてもゲームとしては成立するが、ミニゲームとしてはちょっととっつきにくいかも。なので土地を転がしてそのまま何かにぶつけて……あんまり面白くならなそうなのと被ったら寒いのでボツ。

  • ギャラクシーおむすびころりん

おじいさんの懐から転がったおむすびが軽快なダンスミュージックと共に宇宙を飛び惑星を破壊していくノリと勢いだけのゲーム。惑星を再現するアセットは沢山あったのですぐ作れそうという算段。

  • ギャラクシーハムスター

ハムスターを転がして発電させることにより家、マンション、街、地球、太陽系、銀河、宇宙を動かしていくゲーム。主人公はハムスターを飼っている浪人生で口癖は「オレの人生、転がってきたぜ!」*2。本編には出ない。


−1日目(5/23)

どうしようかな〜と思って #unity1week を眺めていると、ぶつぶつと考えてた変化球ネタが殆ど出ていることに気付き驚愕。こ、これは……生半可なネタをやると被る! 変化球ネタはそもそも内輪になる上に被るとサムいという性質を持つので、これならネタはシンプルでも、ちゃんとゲームとして遊べるものを作ろう!と決意。

  • ころころランプ

ランプっぽいキャラクターが無機質な街を転がっていく。ゴール地点の穴にはまるとぴかーんと光って街に明かりが灯る。うわ、おっしゃれー


1日目(5/24)

ようやくこの日から作業開始。とりあえず基本挙動が無いと何もできないので、ボールをぶっ飛ばす検証を始める。今回は物理挙動に従ったモノを作りたかったので、Unity開発○年、ここにきて初めて AddForce をググるえいきさんであった。

一日目の進捗。角度とパワーはこの時点でワンクリックで両方調整できるように。ボールの跳び具合、跳ね返り具合、落ちる速度、止まり方を調整するのに、RigidBody の Mass / Drag / AngularDrag や、 Physics の重力加速度、Physics Material の摩擦係数や反発係数、そして AddForce のパラメータを調整と、一気に色々弄らなければならないので大変。……が、ここをイイ感じの調整にできるかどうかで後々の手触り感が全く違うのでみっちりやっておくのが個人的にはコツ。


2日目(5/25)

いるからぼ、は本来コアメンバー二人組みであるが、今回デザイナーはデザイナーの仕事があるので作業はぼく一人。ただ、ぼくにキャラデザの才能はないのでキャラクターだけちょっと別の人に描いてもらってモデルを作った。3D モデルくらいなら何とか……。

実はこの日は「魔法の女子高生」の方でちょっとひと悶着あったのでそちらに時間を取られる。が、一応こちらもパラメータ調整とカメラは入れてみた。トルクを入れてはむころりんを前転させると結構それっぽい。

本当はバウンドは小さく、壁での跳ね返りはでかくしたいのだが、それをするには床と壁のコリジョンを分けて、別々の Physics Material を設定しなければならないのでめんどい……。あと砂場(ゴルフでいうバンカー)のテストもしたが、物理だけではどうにもできず、下方にレイを飛ばして地形のタグを見なければならないので今回はオミット*3。無くても何とかなる仕様はどんどん削っていくのが短期決戦では大事なのだ。


3日目(5/26)

さて、土日は旅行のためこの日が最終作業日となる。二日目動画を見るとこれが本当に完成するのか不安になってくることだろう。大丈夫、なんとかなる!
というわけで半休を取って臨戦態勢へ。とりあえずステージ1を作り上げないと話にならないので、アセットを購入して本番相当の見た目を導入していく。ついでにハムスター自身の見た目やアイテム相当の置物も配置。

ライト環境も入れてぐっと絵的な説得力は上がったハズ。
ここら辺でシーケンスを入れる。つまり、開始してからゴールして次のステージに進む部分だ。アイテムの取得、ゴールアイテムである星の取得、結果発表の表示などを一気に通していく。*4

ゲーム要素が一通り出揃ったところでを導入。ところが、効果音は兎も角 BGM はなかなか見つからない……。AssetStore には大量の BGM 素材集があるのだが、普段巡回するときにチェックしていなかったためか、イマイチイケてる曲が見つからず*5。結局カントリー調に逃げることにした。アプリ化するときは自前で作ります。

……ちなみにここら辺で一度 WebGL書き出しをテスト。経験者は知るが、PC 以外のプラットフォームでは色んなモノが謎に使用不可能になり大抵そのまま動かないので書き出しテストは早め早めにしておく(今回も遅いくらい)。案の定、カメラ用のポストエフェクトが殆ど使えない。シット。しかも書き出しがめっちゃ遅くて辛い。魔女の iOS 版ビルド以上あるぞ……。


カラーコレクションだけはゲームの雰囲気がぐっと変わるので入れた。左が無し、右がアリ。無しの絵の締まらなさが分かる。


さあ、一応ブラウザで遊べることを確認したのでステージに装飾品を足して最終版のビルドへ。どうだ。

ああ、それっぽくなった。良かった。ちなみにここからも DrawCall*6 を減らすために悪戦苦闘したり、Twitter 投稿実装したりひと悶着あったのだが、とりあえず土曜朝9:00くらいに完成。久々の完徹だった。
……それにしても(毎度のことではあるが)進捗の曲線がひどすぎて、よくある下書き→完成のメイキングに素でなってしまった。まあウチは大体いつもこんな感じですよ

どうでもいい余談だけど、ウチのゲームは毎回見た目だけは多少マシなので、途中経過を上げることで他の人が萎縮してしまわないよう、結局最終日の公開まで秘匿し続けたというワケです。
見た目のクオリティより、ゲーム性や手触り感が大事ですしね。

オミットした仕様

なんとか完成までは行き着けたが、実際はもっと色んなことをやりたかった……というのは全ての開発者の祈りである。というわけで今回オミット(カット)した仕様の墓標をここに。

  • タイトル画面 → イントロでタイトル一枚出しておけばよくない?
  • エフェクト → いらない画面作り
  • 色んなUI → UIなんてものはいらない!
  • チュートリアル → 転がせばわかる!
  • ステージ4〜8
  • 周囲見渡し機能
  • カメラ回転
  • 星の位置を表示
  • マップ
  • レールギミック(ステージ)
  • 大砲ギミック(ステージ)
  • 当たると壊せる壁(ステージ)

ステージ周りのギミックをカットしてしまったので実質はシンプルなゴルフゲーのようになってしまったが、まあ雰囲気だけでも。これからが本番ですよ。(?)


今後の展望

割といい感じにまとまったので、iOS 版とか出すかも……。ステージギミックを増やして、周回で遊べる仕組みを作って、キャラクターも他の動物に差し替えられるようにすれば、基本無料でもなかなかイイ感じに仕上がりそうです。なんだか、女子高生にウケそうだしね。(そこ?)

完成版はこちら。是非プレイしてみてください。(ログインして評価くれると喜びます)
はむころりん(仮) | ゲーム投稿サイト unityroom





気になったゲームひとこと

 #unity1seek に投稿されたもののうち、いくつか遊んでみたので、気になったゲームひとこと。(Twitterにも2ゲームくらいコメントしたのでそれは除く)なんか偉そうですが、あくまで1ユーザ視点ということでスミマセン。

すとーんひるず / ろろるロール

https://unityroom.com/games/rorolurole/webgl
愛を感じる。ドット絵が良い。玉のドットもちゃんとアニメーションしているのが良い。こういうゲームはとりあえず基本挙動だけ作ったあと、「じゃあゲームオーバーするまでプレイしてね〜」になりがちだが、そこをぐっとこらえてスコアとプレイ時間とライフの駆け引きなんかをちょっとこだわってみると凄く良くなると思う。例えばプレイ時間は1分にしぼって、盤外で待ってる犬にボールを食わせると沢山スコアがもらえるとか。

がらく太 / SynCube

https://unityroom.com/games/garakuta-works-syncube/webgl
面白い。シンプルなのにこの仕組み一つだけでアプリ一本作れそうな完成度を誇っている。マニュアルを読む必要がないのもGOOD。要素を足していくなら手数を競うゲームではなく、単純にステージをたくさん増やして暇な時にできる頭の体操ゲームってテイストが好みかなー。AppStore で120円で売れると思います。
スキマ1ブロックのところに落とすとゲームが止まるんだけど、物理挙動をパズルゲームに使うと変なバグが起こるのでこのくらいなら手書きした方が良さそう。

tacchi. / Co Ro RoGUE(コロローグ)

https://unityroom.com/games/cororogue/webgl
六角形というのが発明。スポっとハマったりスルっと抜けたりする快感は円ではムリ。レーザーのパワーアップが直感的かつ良い塩梅の強化で、ゲームの根本部分としてはすっかり申し分なし。茶々を入れるならシーケンス周りで、コメントにもあるように面クリア型にしたり、動く敵を出したり、マップを作ったり……とここからの拡張しがいがありそうなゲーム。あと、回転前後の時間停止はもう5〜10F早く!

あき / machine's

https://unityroom.com/games/unity1week_machines/webgl
ビジュアルゲーム。センス良し。もう一歩かな、と感じるのは発射シーケンス。たとえば矢印キーを連打すると機構が動いて歯車が加速するとか、そういったアナログなギミックがあるとゲーム性はシンプルでも遊んでいて楽しい。

熱帯雨林 / 急げ!! しんたくん!!

https://unityroom.com/games/gogo_shinta-kunn/webgl
何かなつかしいものを思い出すゲーム。矢印キー押したら思ったよりダイナミックな動きで面白かった。自分のペットを思いつきでゲームにだってできる、素晴らしい時代になったと思う。

いいらいと / モノクロール

https://unityroom.com/games/monochromeroll/webgl
曲がり角によって次のシーケンス(直線)の壁の間隔とかが分かるのが発明。一方で角でちゃんとカメラを動かして振り向く動きはもっと重要視すべきだった。スペースキーは気付かなかったしオミットしても良さそう。世界観は良いのでもう一歩踏ん張るとぐっとよくなる。

レデュ / 転がる偉大な英国面

https://unityroom.com/games/rollpanjandrum/webgl
初めて作ったゲームはこんな風にただひたすら避けるゲームだったことを思い出した*7パンジャンドラムが慣性を持ってドリフトするので、ギリギリで避けるほど次の余裕ができるという良いゲーム的循環を生み出している。
ドラム同士がぶつかって軌道が変わる挙動はアクセントとなって面白かったけど、もう少し反発力を大きくしたほうが急激に減速してこちらに向かってきてしまう現象を抑えられるかも。

麻々想魔@ヒロインタッチ / ただのボウリング

https://unityroom.com/games/the_bowling/webgl
会社でも一度ボウリングを作ったことがあるけど、ボウリングってシンプルに作っても結構楽しくて、ホント人間の本能に合ったゲームだと思う。地味に倒れる判定が難しいのだが、第二投目までにちゃんと綺麗になっているところは愛を感じる。プレイ媒体がブラウザであることを考えると、マウスクリックで良さそうなのと、マウスならもうちょっと色々やりたい感じ。ぐるぐる回してエネルギー溜めたり、フリックで投げたあとのボールちょっと曲げたり……。あ、レーンに線入れるだけでぐっと遊びやすくなります。

ちなみにリアル系のミニゲームは簡単な方にシフトすると遊んでもらえやすい。全部ストライクだっていいじゃない。

ぬか / 六面一間

https://unityroom.com/games/6men/webgl
ご飯を食べようとテーブルの下に潜り込んだら主人公が壁にめり込んで部屋の外に飛んでいった。脱出成功! ……え? そういうゲームじゃない? アイデアはめっちゃ良いと思う。

ぽうひろ アーバンナックル / ゴロゴロダマ

https://unityroom.com/games/gorondama/webgl
なんでやねん。こういう馬鹿ゲーは大好物だが、出来が良いとかえってアラが目立ってしまう現象が悩みどころ。塊魂があるので、信号機や木やビルがくっつかなかったのに違和感を覚えてしまったかも。

UMINEKO STUDIO / 伝説の星

https://unityroom.com/games/densetsunohoshi/webgl
惑星を作るステキゲーム*8。隕石に潰されたが、それよりもクリックに疲れてしまった。文明をワンクリックするたびに物凄い勢いで人類が成長するのが、実際の歴史を現しているようでとてもいい。

まとめて思ったこといくつか
  • これは同人ゲームでもよく言われることだけど、操作方法の吟味はもっとすべきかなーと思う。ワンキーだけならマウスでもいいんじゃないかとか、マウスとキーボードを組み合わせる必要はないんじゃないかとか、キーボード操作なのにタイトル画面だけマウスが必要になっているんじゃないかとか。操作はシンプルであればシンプルであるほどよく、なぜそうなったかを必ず答えられなきゃいけない。
  • 「跳ねる」に続き「転がる」と、Unity の物理挙動をふんだんに使うことが推奨される昨今、物理パラメータはしっかり調整するか否かで手触り感にダイレクトに繋がる。動きがもっさりしているなら、加える力と抵抗を両方とも増やすべし。所詮物理挙動なんてものは擬似にすぎないので、自分で納得できるパラメータをとことん突き詰めたい。
  • とはいえ、そもそもこのイベントは評価するものではなく、完成させ、出した時点でゴールである。前回の二倍、140超もの作品が一週間で作られ、不特定多数に遊ばれることは凄いことだし、イベントとしても大成功だ。この場を借りて感謝したい。


https://unityroom.com/unity1weeks/3

*1:Utility系の資産は使いまわしたけどね

*2:後で投稿作品見たらすごく似たような台詞言ってる作品があってビビった

*3:仕様カットのこと

*4:実は将来的なアプリ化とそれに伴うローカライズを見越して言語的なものは取っ払った。フォントとか考えるのめんどくさいし。

*5:というか、自分で作ったほうがいい曲ができるという個人開発者のジレンマ。

*6:もとい SetPass

*7:これより大分出来は悪いが

*8:自分が宇宙好きなだけか……