ソーシャルホストゲー

全く作る予定ないゲームは何の惜しげもなく企画をぶちまけることが出来るので楽である。
ソーシャルホストゲーム。最強のソーシャル。

概要

一人のホストを大勢の支持プレイヤーで担ぎ上げ、他のホストとバトルする。担ぎ上げる=課金。実際はホストの代わりにアイドルを用いたりキャバ嬢を用いたり、まあなんでもいい。

利点

従来の課金ガチャ*1ではコンシューマに比べてコストパフォーマンスは良いものの、結局はコンテンツと課金が一対一で結びついていた。プレイヤーとプレイヤーを競わせることで、コンテンツと必ずしも一対一ではない課金を行わせ、より多くの利益を得られるようにする。

ガチャのカラクリ

ただし、際限なく課金出来るシステムだと、逆に課金総量は減ってしまう。ここまでガチャが成功したのは、課金する個人が自分なりに天井を見つけることが出来る絶妙なシステム故である。
成功したガチャとして古い例では「パンヤ*2」というオンラインゴルフゲームが挙げられる。このゲームでは定期的に商品の代わるガチャを売りの一つにしているが、所謂目玉商品である「レア」が大体5000円分くらいやれば手に入ってしまう。あえて確率が低めに設定されているのだ。5000円くらいならいいか……と思ってやると、定期的に商品は変わるのでトータルで十万くらい行ってしまう。そもそも5000円というのはゲーム一本買える値段なのだが、課金する人はそんなことを気にしない。
最近流行のアイドルマスターも、金額こそ多いが同じようなシステムだ。これが優れているのは「自分の好きなアイドル」を見つけることで、そのアイドルのカードを全て集めるという低めの天井を自分で設定することが出来る。大体12〜16万円らしい。勿論、全カードコンプを目標にすることも出来る。

こまめな天井設定

ホスト・キャバクラというシステムが優れているのは、個人個人の天井が低いことである。たった一人がホストのバックに付いて別のホストと戦うのでは、結局一対一の財力勝負であり面白くもなんともない。しかし、大勢の人間が支持者として付くことにより、一人一人の負担が減り、少ない金額でも自分がそのホストを支持しているという充足感を得ることが出来る。
大体他のソーシャルゲームを見るに、一人当たり5〜15万程度が丁度いいらしい。なんでも、その気になれば消費者金融で借りられる金額だとか。なんかウシジマくんみたいになってきたぞ。

でか天井

恐らく全体のゲームシステムとしては期間を決めて(一週間か一ヶ月)その間の売上を競うことになるが、こんな一工夫を加えることが出来る。ある一定金額に行くと、勝利確定金額が見えるようになるのだ(勿論金だと生々しいのでポイントだのエネルギーだのに置換されるが)。
例えば、全員の課金総額が800万に到達した瞬間、「1000万円で勝利確定」という提示をする。1000万円に到達した瞬間、残り期間を待たずして勝利できるのだ。すると突然現れたゴールに、プレイヤーたちは一直線に向かっていく。もし支持プレイヤーに1000万以上の潜在的支払能力があれば損することにはなるが、恐らく逆のケースの方が多い。なので、搾り取る。
また、「一定金額」は隠蔽するほうが良い。すると「勝利金額の提示」自体も一つのゴールになり、それ以前の課金欲が高まるからである。更に勝利金額の提示が抗争の終盤であることを示すため、一定金額に到達していないチームもより奮起して追い上げを狙うという効果が見込める。

課金対象

残念だがここまでのシステムを丸ごとパクってもまず流行らないだろう。ホストやキャバクラというのは高額なお金を支払う代わりにサービスを得るものなので、課金する価値のあるアイテムがゲーム要素として必要になってくる。
が、コンセプトとしてプレイヤー同士を競わせることによりコンテンツのコストパフォーマンスを良くする、ということなので単純なガチャでは本末転倒である。

  • 消費アイテムを買わせる

一定時間で消費するアイテムを買わせる。そのアイテムを使ってミニゲームをしたり小さな抗争が行えるようなシステムを作る。

  • イベントを発生させる

ガチャの一種。ランダムでイベントを発生させる。たまに生写真をプレゼントしてあげてもいい。サービス精神が高いほどただのガチャと同じになっていく。一つ上と併用するのも良い。

  • 繰り返し遊ぶことに価値のあるコンテンツを付ける

動画や曲など。若干難しいか。

  • 別のゲーム要素をくっつける

例えばホストではなく「王」をゲーム要素として用いるなら、プレイヤーごとに家や町を持ち、それを課金によって大きくすることで王が強くなっていくようなシステムにする。つまり間接的な課金となる。

  • 中の人を入れる

いっそ、アイドルに中の人を入れてしまう。こうすればリソースを割くことなく無限のコンテンツを生み出せる。これほどコスパが良ければもはや人件費も安いかもしれない。
中の人がどこまでやるかは要検討。AKBみたいに握手券やコンサートチケットを販売するか。或いはただの人工知能として大量に用意するか。

恐らくこれら(きっともっとある)の複合になると思われる。

まとめ

ソーシャルとガチャが大変なことになるだろうなーと密かに思っていたら本当に大変なことになっていたので、次はコレかもしれない。勢力争いをさせるようなソーシャルゲーが出たら要注意。或いは既にあるかもしれない。それらがホストゲーになるのに時間は掛からない。

*1:お金を投入し抽選を行うとランダムでゲーム内要素が獲得できるシステム

*2:http://http://www.pangya.jp/