はじめてのプレス

前回の記事に関連して。プレス業者(印刷所)に制作したゲームソフトのプレスを頼む時の留意点など。

プレスの流れ

まず、メール或いは専用フォームでプレス依頼を出す。この時、詳細事項も共に添付する。専用のpdfに色々と書く必要がある所もある。
そして向こうからメールが帰ってくる。相談事があるなら相談を経て、見積もりメールが向こうから送られてくる。了承した場合、納期についてのお知らせや納品方法が連絡される。後はそれに従って納品するだけだ。イベントに合わせた場合、会場の搬入まで自動でやってくれるため後はパッチでも作ってのんびり待つべし。

締め切り日

締め切り日は大体イベントの二週間前程度になる。プレス内容やサービスによっても違う。基本的に早期に入稿を終えると早期入稿割引として印刷料金が微妙に安くなったりする。逆に入稿がかなりギリギリでも特急料金として高い値段を払うと何とかなるというサービスもある(全ての印刷所がやっているわけではない)。

納品

納品する手段は直接入稿やメール入稿、フォーム入稿などが挙げられる。メールやフォームでの入稿は楽だが、ちゃんと遅れたかどうか、データが欠損していないかどうかなど少し不安になる。やはり一番良いのは直接入稿と思われる。マスターCDに焼かなければいけない、直接印刷所に行かなければいけないという面倒くささはあるものの、確かに相手に渡したことが証明されるし、その場でデータがちゃんと入っているかどうか確かめてくれたりもするので手間をかけて行く価値はある。
ちなみに納品物にはゲームの入ったデータと、ジャケットの二つが存在する。ジャケット入稿はしばしばデータと別に行われ、ジャケットさえ入稿しておけば締め切りが微妙に延びる……こともあるがあまりやってはいけない(建前)。

海外プレスと国内プレス

印刷所によっては海外と国内にプレス工場を持っている所がある。何が違うかというと、出来上がる製品には基本的に差異は無い。ただし、国内にはある機材が海外にはなかったり、その逆があったりすると一部サービスが変わったりもする。
一番大きな違いは納期と値段である。海外の方が納期が長く(輸送のため)、値段は安い。日本の方が納期は短いが値段が+一万程度される。しかしマスターアップの締め切り日が二日程度延びるのは割と魅力的である。

値段

前の記事でも述べたが、基本的に1000部未満は著しく単価が高い。1000部を越えると大体一部あたり100〜130円程度、その後2000部、3000部となると少しずつ下がっていく。
また、増版すると判が既に出来ているため、印刷所によっては割引がある。

ケース

ケースにはメジャーなもので五種類存在する。プレスではそのいずれかを選択することになる。

  • 不織布・紙

CD一枚分の薄っぺらいケース。主に体験版の頒布で使われるが、簡単に安価で購入できるため、プレスで頼む必要は無いかと思われる。

  • スリムPケース

5.2mmケースとも。最も小さく薄いケース。かさばらないので体験版などを頒布するのに最適。

  • Pケース

いわゆる10mmケース。書店で見かけるCD等は全てこれである。東方本家はPケースで頒布している。見栄えが良く、製品版の頒布などに。

DVDや最近の据え置きゲームソフトなどが入っているような大き目のケース。でかいしかさばる。しかし、貫禄が出るので一度は挑戦してみたいと誰しも思う(?)。1500円を越える同人ゲームはトールケースで頒布している所が多い。(値段によって傾向に差異がでる理由は謎である)

トールケースの大きさで、厚さが半分のもの。使っているのを見ることは少ない。

その他用語

  • キャラメル包装

市販のCDを買うと回りについている薄いビニール。これがあると商品っぽくなる。基本的にプレスするなら付けるべし。

  • オビ

CDとキャラメル包装の間に挟まれる背中の部分。用途は不明だが、付いているとどことなく高級感がする。ただし+一万円くらいするので注意。基本的にPケース限定で、トールケースには存在しない。

  • シルクとオフセット

レーベル印刷の種類。シルクは、表面がざらざらした手触りのものになる。オフセットは通常の印刷物と同じ感じだ。シルクの場合、色数が限られている場合もあるので印刷所の注意書きを良く読むべし。