「絞る」ゲームデザイン

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 ゲームをデザインするという行為には大きく分けて2つの種類がある。一つは仕様を足し、アイデアを足し、リソースを足してゲームの面白さを「盛る」ゲームデザイン、そしてもう一つは煩雑な仕様、要らないアイデア、飾りすぎたリソースを削ってゲームの面白さを「絞る」ゲームデザインだ。

 盛るデザインの話ですら、あまり表に出てくることはないが、絞るデザインに至ってはそもそもその概念や重要性を理解していない人も多い。

 しかし、ゲーム作りをしていくうちにどうも要素がゴテゴテしてしまって、初見で「分かりづらい」と言われたり、複数のゲームパートの結びつきがイマイチスマートでなかったり、似たようで異なるが削れない沢山のパラメータが生まれてしまったりといった経験は誰にでもあるはずだ。

 今回はそういうゲーム制作中盤で頭を悩ませる諸要素をいかに切り抜け、ゲームの仕様を「絞っていくか」というお話。

 

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増した競技性、取り残された初心者。Splatoon2 寸感

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 発売されましたね、イカ2。皆様いかがお過ごしでしょうか。今日で発売一週間と二日ですが、とてもそうとは思えないほどやりこんでるアナタは少し休憩しましょう。特に夏コミの作業が止まっているアナタ! 地獄を見ることになるでしょう。まあ、ぼくのことです。

 というわけで、イカ2 寸感。

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最後のビルドを起動する(Run latest build)

 一行TIPS。

 ネットワークゲーム等を開発していると一度ゲームをビルドした上でエディターと通信させる必要があるが、デフォルトでは Build and Run しか用意されておらず、特に更新点が無い場合にメニューから最後のビルドを Run することができない。かといってわざわざフォルダから開くのも面倒くさい。

 ので、ビルドしないで Run を実行するメニューを作っておくと何かと便利……なのだが、最後のビルドのパスってどこにあるんだ? と思ったらちゃんと用意されていたのでそいつを実行する TIPS。

System.Diagnostics.Process.Start(
    EditorUserBuildSettings.GetBuildLocation( EditorUserBuildSettings.activeBuildTarget )
);

 activeBuildTarget はプラットフォーム毎に変わるが、Process.Start できるのは Standalone だけなので別に Standalone 固定でもいいかも。

サラリーマン寸感。 - そして、ビジネスというモノについての諸考察

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 えー、この度退職しました。おめでとう自分!
 思う所は色々ありましたが、何より自分のやりたいことに専念したいというのがメインの理由になります。あと寝たい。*1

 

 さて、一度組織というものに所属して抜けると色々見えてくるものがあるわけです。働き方というものがますます多様化する中、サラリーマンに向いている人と向いていない人というものが当然出てきますが、それがすなわちサラリーマンという生き方を選ぶかどうかの判断理由に直結するかいうとそうではなく……。ぼくなんかはまさにサラリーマンに向いてない側の人間でしたが、この五年間で学びも色々あったわけです。

 

 退職を決めたときや、引継ぎを終えて特にやる仕事もなくなった最後の一週間、組織に入って働くということがどういうことか、どういうものをもたらすのか、ひたすら考えてきたので今サラリーマンの人(特にやめたい心が高まっている人)、これから就職する人就職活動真っ最中の人もう内定決まった人、そして転職するか独立するかまさに検討している人は是非読んでみてください。

 

*1:会社の悪口なんてものは探せばいつまでも見つかるモンで、そういうのをつらつらと並べるのは今はやめておきましょう。

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はむころりん(仮)メイキング+感想 @ #unity1week

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#unity1week というものに参加してきました。

Unity 1週間ゲームジャム | 無料ゲーム投稿サイト unityroom - Unityのゲームをアップロードして公開しよう

 一ヶ月前にこの記事を見て、めっちゃ面白そうと思ったのが発端。ゲームジャム系は前々から興味があったものの、合宿になるとどうにも腰が重かった。が、この #unity1week 、社会人に優しく期限は一週間も取ってくれるし、投稿のハードルも低い! ということで短期決戦ゲームのリハビリ(?)も兼ねて参戦しました。

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NieR: Automata

 PVの2B走りモーションに魅せられてライコの参考に……と買ってみたら久々に心行くまで楽しめた名作アクションゲーム。ニーアシリーズもDODシリーズも未プレイだが、十二分に楽しめた*1
 MGSやベヨネッタ等最近の和製アクションゲームは一通りプレイしたけれども、トロフィーコンプまで行ったのは初めてかも(天井が低かったのもある)。あと、設定万歳。

*1:前提知識はネタバレ+動画で事前に補完した

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スーパーマリオランはなぜ高いのか

鳴り物入り、ってレベルではないドンガラガッシャン感を出して堂々と世に出ました、スーパーマリオラン。皆様いかがお過ごしでしょうか。クリアしましたでしょうか。ブラックコインのおまけコース含めたコンプリートまでいくとやや骨が折れますが最強キャラであるルイージを使うと結構ギミック無視して取れるのでお試しあれ。

さて、ご周知のとおり一騒動あったスーパーマリオランのその価格。実に1200円。うーん……高い。高いよ。コンシューマゲームのユーザで2000円の同人ゲームを売り年始には25万デレマスにぶっこんだ自分でさえ、第一印象として「高い」と思うもの。

すると、ゲームクリエイターとしては一抹の疑問がよぎる。なぜたった1200円が、高いと感じるのか。ふとそれを考えていくと、そこには単純な値付けミスだとかユーザ層の乖離だとか、そういう話とはまったく異なるベクトルの何かが潜んでいるということにふと気付いたのである。

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