同人ゲームを作っていると結局なんでもかんでもとんでもやらなくちゃならないので、品質に差異はあれど大抵の個人開発者というのは全ての作業を自分でできるようになっている。大抵の場合プログラマーはリーダーであると共に企画もやるしシナリオもやるしUIもやるしWebサイトも整備するし動画も作るし委託店舗との連携や印刷所の手配もやる。これは何ら特殊技能ではない。気がついたらそうなっているのだ。
……しかしぼくはどうしても絵が描けない。絵だけはサークルメンバーである春さんに任せているのだ。勿論、全く描けないわけじゃない。ミミズくらいは描ける。トレースや模写もできる。でも、同人誌を描いたり、イラストをTwitterに載せたり、そういうレベルじゃできない。いや、やりたくない。
下手なのだ。下手だから描けない。……だが、厳密に言えば下手であることと絵が描けないことに密接な関係はない。そんなことを言ったら世界で一番上手い人の次、二位以下は絵が描けなくなってしまう。そもそも絵は描かないと上手くならないのだから、絵描きが全滅してしまう。
つまり実際の所、絵が描けないのではなく、絵が描きたくないのだ。絵が描けるようになりたいのだ。もしかしたら、これを読んでいるあなたも、思い当たる節があるのではないだろうか。絵じゃなくてもいい。何かをしたい。でもできない。本当はやりたくない。でも、できるようになりたい。
この記事はきっとそんなあなたとぼくのためにある。
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